頭(こうべ)のきく人
頭の良い人は「かしこい」秋田弁で「さがし」という。実るほど「こうべ」を垂れる稲穂かな…ということわざがあるように「こうべ」のきく人は「すばしこい」ともいうが…。
戦国の世、天下布武を掲げて天下統一を夢見た信長。その信長が最も信頼していた武将が二人いた。その一人が秀才でカミソリ男と異名を取る光秀。もう一人が「こうべ」のきく男では織田家ピカ一の秀吉。ところが光秀は頭脳がいいことに自分も天下を取れるものと計算して謀反を起こし、本能寺で信長を倒したところまでは良かったが、結局「こうべ」のきく秀吉によって山崎の合戦で敗れた。光秀の「三日天下」で終わった。戦国時代は頭脳の良さよりも「こうべ」のきく武将の方が出世する率が高かったようだ。
いつの世も、腕組みして考えている時間より「こうべ」をきかせてすぐ行動に出る方が割と物事を進展させる「きっかけ」になると思うが、なかなかむずかしい。(令和二年七月五日)