自分の苦労は他人に見せるものではない
「かわいい子には旅をさせよ」ということわざがあるが、自分の子はかわいいしそばにおきたい。だが、かわいいからこそ世の中のいろいろなことを勉強させ他人の飯を食べて苦労して来いと、親は送ってやる。何年後かには、一回りも二回りも大きく成長して自信をつけて帰ってくる。親は子の成長を見て心の中で喜び涙ぐむ。
戦国の世、苦労をしていろいろな修羅場をくぐり抜けてきた武将と、育ちが良く苦労もなく、他人の話に耳を傾けようとしない武将とではかなりの違いがあると、官兵衛は上司秀吉に伝えた。秀吉は農民から天下人になった人だからこそ、官兵衛の気持ちは手に取るようにわかった。さらに苦労して育った武将はちょっとした障害にぶつかっても耐え、精神力も鍛えられ、決断も早く行動力もあるとも言った。
いつの世も、苦労していろいろな体験や経験をした人は、ちょっとの壁にぶつかっても今までの経験を活かし、笑顔で対応することができると思うが、なかなかむずかしい(令和元年七月二十一日)