油売りの抜け目なさ
一介の油売りから身を起こし一代で美濃の国主となった斎藤道三。美濃の「マムシ」というニックネームで各国から恐れられた。道三は油を売る時、じょうごを使わず、一文銭の穴の中に油を通すという芸までやって客の心を確実につかみ、セールスに関しては優れた才能があった。そして頭の良さと「抜け目なさ」で自分の目的を達成するためにあらゆる「はかりごと」を張り巡らし、諸国を行商して歩いた。その経験を生かして、豊かな国造りに励みやがては美濃の国主となった。
いつの世も、広い世の中に出て経験や情報を求めることで、また違った新しい道が見えてくると思うが、なかなかむずかしい。(令和六年九月二十九日)