失敗から学ぶ教訓
誰でも忘れてしまいたい過去の失敗があると思うが、失敗をきれいさっぱり忘れられれば気持ちもすっきりするが…。
戦国の世、失敗をきれいさっぱりと忘れたいが、その一方で失敗から学び、大事な教訓として活かすこともできると家康は部下達に言った。家康三十一歳の時、三方ヶ原の合戦で信玄にさんざんに打ちのめされ、恐怖のあまり戦場から逃げ帰った。この時の敗戦の失敗を肝に銘じた苦い経験は、後の徳川二百七十年の基礎を築く要になった。家康は大事なことを教えてくれた信玄を、ありがたい先生だと謙虚に受けとめた。
いつの世も、自己成長のためには失敗を忘れた方が良いのか、教訓として参考に学ぶために残しておいた方が良いのか、なかなかむずかしい。(平成二十九年一月二十九日)