一言
迷いからなかなか抜け出せない時、友人の「一言」で、迷いが一瞬のうちにガラリと流れが変わる場合もある。また人生も「一言」で変わることもあると思うが…。
戦国の世、秀吉の人生も参謀の知恵者である官兵衛の「一言」でガラリと変わった。上司信長の命令で中国地方平定のため毛利方と戦っている最中、信長が本能寺で部下の光秀の謀反により倒されたことを聞き、気が動転し泣きわめいた。その時「殿しっかりしろ。泣いている場合ではない。今が天下取りのチャンスです」と耳元で「一言」官兵衛がささやいた。この「一言」を聞いた秀吉は一瞬びっくりし「官兵衛のやつおそろしいことを言うやつだ」と思いながらも、気が元にもどり毛利方と和睦し中国大返しという早業で山崎の合戦で光秀を討ち破り、天下取りへの足がかりを作った。
いつの世も「一言」の重みでピンチがチャンスに変わる時もあるから、周りの話を「うのみ」にしないで良く聞く事が大事だと思うが、なかなかむずかしい。(令和二年五月二十四日)