素直にたまごの殻を割って出る
木は年輪を積み重ねて育つ。竹は節を持つことで風雪に耐え育つ。人もことわざのように、他人のふりを見て我がふりを直して成長する。ようするに他人の良いところは大いに学ぶことが大事だと思うが…。
戦国の世、家康は幼い頃から今川家の人質となり苦労した。やがて今川は信長に破れ、家康はやっとの思いで自国に戻った。そして最初の戦、信玄との三方原の戦で大敗してしまう。しかし信玄の戦い方や考え方すべての面を学んだことは、後の徳川時代を築くことに大いに役立った。家康は年輪のように苦労を積み重ね、竹のように粘り強く、敵の良いところは大いに学んだ。
いつの世も、他人の良いところは大いに学ぶべきだ。自分の背中は見えないが、他人の背中はよく見える。自分を信じて他人に聞こうとしない人がいるが、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざのように、たまごではないが殻を割って素直に出た方が良いと思うが、なかなかむずかしい。今年もよろしくお願いいたします。(平成二十九年一月八日)