戦国新報
 
 
平成9年 前期
もどる
秀吉も職場こそ絶好の学ぶ所と言っている
すすむ
 仕事の能力を身につけるには学ぶしかない。それは学校で教えられたものがすべてではないような気がする。 職場こそ実践の宝庫である。学ぼうとする心があるなら、よりきびしい職場の方が最高の場所である。 営業力を研くなら、取引先のほとんど決まっていて名刺だけで信用される一流企業よりも、自分の実績が給料を決める小さな会社の方が良いだろう。一匹狼のつもりで得意先を開拓し、自分の力がすべてを決める。頭を使い、知恵を出し、足を使い動き回る。また他人の技を盗むことも大事である。
 百姓のせがれ秀吉も信長に仕える前は、蜂須賀小六率いる一匹狼の群れ「川並衆」という野武士集団に所属していた。ここは絶好の学ぶ場所だった。
 しかし野武士のやり方はすべて実戦的である。刀や槍を振るえない秀吉はここでは親分にはなれなかったため、野武士をやめ、自分の能力を最も発揮できる場所を他に求めた。
 そして信長に仕えた時、この時の経験が見事に活かされたのである。
 今のビジネスマンも実力本位で生きたいならば、秀吉流のやり方で学ぶことによって、不況な世の中も乗り切れるような気がする。だが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】