平成8年
前期
バカになるか、なれないかで運命が決まる
信長が一番恐れた男、うぬぼれの強い光秀
信長、家康の連合軍が武田勝頼と戦った長篠の合戦は連合軍の圧倒的勝利となったが、この時、いままでとは全く違った鉄砲隊による三段構え迎撃戦法を考案したのが光秀であった。信長もこの戦法のすばらしさにビックリしたが、一方では光秀の頭の良さに恐れをなしたのである。しかし各武将には「出色の武将」だと誉めたたえた。
しかし、光秀は砲術にすぐれ、学識、見聞にもすぐれたインテリだけに、異常なふるまいの多い信長とでは心理的な面で亀裂が生まれていった。結局、律儀で生真面目な性格の光秀は最後までバカになりきれないで、謀反を起こしてしまう。光秀は、秀吉のように「バカになる智恵」をふるう処世術に欠けていたのである。
不況な今の時代も少しバカになって物事を考えてみると、いい智恵が浮かんでくるのではないだろうか。
【文：高田 金道】
