戦国新報
 
 
平成7年 前期
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地震とすばやい対応
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 秀吉が天下を取って大坂城にいたころ、地震がおきて淀川が決壊した。雨が降ると大変なので、秀吉は黒田如水に何か応急手当はないかと頼んだ。如水は「それなら城内の米蔵にある米俵をいただきます」と言った。
 その米俵を決壊した場所にどんどん運び、次々と堤の破れ目に積み重ねた。やがて水は止った。
 その後、如水は「丈夫な土の俵を持ってきた者には、ここにある米俵を与える」と付近の農民に告げた。
 農民達は先を争って土の俵を持ってきた。米はぬれているが干せば食べられる。その上、大坂城にあった米だから質もいい。たちまち、米俵と土の俵は全部交換された。秀吉を始め他の家臣達は、如水の智恵に感動したという。
 今の時代も、物事に素早く対応するには、いろんな智恵があるのではないだろうか。
【文:高田 金道】