|
|
秀吉は貧しい環境から頭角を表してきたわりには物欲が小さかった。信長が、自分の働きだけを認めてくれればそれで良いと考えていた。また、禄高よりは働きがいのある仕事を与えてもらうにこしたことはないと思っていた。
秀吉はいろいろな壁にぶつかった時こそ、最も能力を発揮し、そして信長を喜ばせた。織田家の重臣たちは「私財をためすぎて」いた。信長は強欲な人間を極度に嫌う性質だから、この秀吉の淡泊な態度には大変好感をもったようだ。
不況風が吹いている現在、庶民が望んでいるのは、秀吉のような新しいヒーローの出現であるような気がする。
|
【文:高田 金道】
|
|
|