人と人との関係でコミュニケーションを取る方法のひとつに、顔の表情ほど大事なことはない。いつもニコニコと笑顔の絶えない人は、周囲を和ませる雰囲気を作り、多くの人を引き寄せるような気がする。反対に渋い顔をしていると、人は近寄りがたいような気がする。
戦国の世、ある時官兵衛は部下に聞かれた。「なぜ秀吉とのつながりが強固なものになったのか」。その時官兵衛は、「秀吉様の態度の低い笑顔のある心に引かれた」と答えた。また、「秀吉様は農民の倅とばかりに、信長の配下の一国一城の大名であるという態度を決して見せず、常に三歩下った姿勢で自分を立ててくれたからだ」とも答えた。
いつの世も、笑顔は人を明るくするし、相手に安心感を与えてくれる。安心感があれば仲間が集まってくるし、笑顔の挨拶ほど人と人との関係を結ぶ大切な基本だと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十七年五月十七日)
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