戦国新報
 
 

平成25年 後期
【 H25.12.1】

もどる

急ぐべからず

すすむ

 今の時代はスピードが大切だと思いますが…。「人の一生は重荷を負って遠き道を行くがごとし急ぐべからず」と家康は遺訓で述べています。

 戦国の世、天下取りを目の前にして「急ぐ」あまり部下の光秀の裏切りによって倒された信長。農民上がりから苦労して天下を取った秀吉だったが、継承問題で失敗して、自分一代限りの天下で終わった。家康の天下取りは「急ぐべからず」と、忍耐の連続の結果、徳川二百七十年の基礎を築いた。

 いつの世も、良いアイデアやヒントを思い描くと吟味せず、すぐに着手するのが良いのか。情報収集してじっくりと吟味してかかるのが良いのか、なかなかむずかしい。(平成二十五年十二月一日)

【文:高田 金道】