苦しい時に、最も有利な状況だと思う人と不利な状況だと思う人、いろいろいると思う。しかし同じ状況でも相撲に例えれば、土俵際まで追い詰められた姿勢はピンチであるが、「うっちゃり」の機会を狙っている力士にとっては、チャンスである…。
戦国の世、戦いの時、絶対負けまいと思うか…。必ず勝ってやると思うか…。「気迫」の違いによっては状況が変わると、信玄は部下達に言った。
勝敗は両者とも危機であるし、「我敗れるか」と感じる時、敵もまた「敗れるかも」と思っている時である。何事も「気迫」が大事だとも信玄は言った。
いつの世も、リスクの陰には必ずチャンスがつきものという人もいる。「ピンチはチャンスなり」ということわざもあるが、使い方、考え方ひとつで、ゴミにもなるし資源にもなる。何事も考え方ひとつだが、なかなかむずかしい。(平成二十五年十一月十七日)