戦国新報
 
 

平成24年 後期
【 H24.8.12】

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嫌な仕事を進んでやれるか

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 うま味のある仕事は誰でもやりたがる。当たり前のことだ。だが、上司から評価を得るのは、他人が嫌がる仕事を自ら進んでやることだと思う。

 戦国の世、破竹の勢いの信長。敦賀の国の名族朝倉義景との戦いで勝利目前のその時、同盟を結んでいた妹の嫁ぎ先の大名、浅井長政の突然の裏切りによって絶体絶命のピンチに立たされた。背後から攻められ、後は撤退するしかない。誰か死を覚悟で「捨て石」のしんがり役をする部下が必要だった。信長は悩んだ。その時「殿のためなら自分が死にまする」と秀吉が名乗り出た。一瞬の出来事に信長は「頼む。生きて帰ってくれ」と涙を流し秀吉の手を握り、早馬で撤退した。

 秀吉は見事にしんがり役を成功させ、秀吉の評価は今まで以上に信長に信頼されスピード出世の階段を登り始めた。

 いつの世も、誰もが嫌がる仕事を進んでやることによって、上司との信頼関係が生まれ、仲間からも高い評価を得られると思うが、なかなかむずかしい。(平成二十四年八月十二日)


【文:高田 金道】