戦国新報
 
 

平成21年 後期
【 H21.12.13

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こうべのきく奴
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 一所懸命に努力している人には、不思議と良いチャンスが近寄ってくるが、平凡に過ごして仕事をしている人は、目の前にチャンスがぶら下がってもわからないまま通り過ぎると思うが…。
 戦国の世、農民から二十八回も職業を変えた秀吉だったが、信長に出会ったことでチャンス到来と思い、どんな仕事を与えられても知恵を出して信長のために励んだ。
 草履取りの担当になったある寒い朝、秀吉は自分のふところに草履を暖めて差し出した。信長には「気の利く奴だ」と認められた。たかが草履取りの仕事であっても工夫することによって認められ出世コースの出発点になった。もし秀吉が平凡な草履取りだったら天下取りの将来はなかっただろう。
 いつの世も、何の仕事でも同じだが、知恵を出して「付加価値」をつけてがんばることによって、おのずと良いチャンスが近づいてくるような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】