戦国新報
 
 
平成19年 後期
【 H19.8.26】
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目付役
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 他人の背中はよく見えるが、自分の背中は見えない。「人のふり見て我がふり直せ」ということわざがあるが、自分の欠点にはなかなか気付かないが、相手の欠点はよく見えるように、相手のアラを探して歩く人もいる。
 戦国の世、信玄は自分の欠点を知るために軍師勘助を自分の「目付役」につけた。そして自分の欠点を勘助に聞き、それを素直に受け止め、部下達あっての領主であることを認識した。
 また、他の大名達は、膨大な資金を投資して競って大きな城を築いたものだが、信玄は城をつくらず、その資金を領民のために使った。そして「人は城、人は堀、人は石垣」と優秀な人材を育成することによって城の役割をはたすと考えた。
 今の時代ほど他人の欠点をおもしろおかしく指摘している時代はない。他人のよい所は多いに学び、自分の欠点や勘違いを気心の知れた友人に指摘してもらい、謙虚な気持ちで受け止め、改善に努めることが大事なような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】