戦国新報
 
 
平成18年 後期
【 HH18.9.24】
もどる
油断は身を滅ぼす
すすむ

 ウサギとカメの童話は有名である。お互い自分の方が速いと自慢し合い、どちらが速いか勝負することになった。予想通りウサギはスタートしてからしばらくすると、カメよりはるか先を走っていた。安心したウサギはゴール直前で昼寝をし、「油断」して眠り込んでしまった。目を覚ました時、カメはとっくにゴールしていた。カメは休むことなく、ひたすら「一歩一歩着実」に歩き続けたことでこの戦いに勝利したのである。
 戦国の世、秀吉は、何事も油断していると、いくら能力や実力がある武将でも、敵に簡単に負けてしまうと言う。歴史に残る一番いい例が桶狭間の戦いである。圧倒的に有利な義元が、信長に敗れるという、これも義元の信長を見下した「油断」から生まれた戦であった。
 いつの世も、「油断大敵火がぼうぼう」ということわざがあるように何事も油断は禁物だ。ウサギは勝てる相手に油断したから勝負に負けた。カメではないけど相手に差をつけられても決してあきらめないで一歩一歩着実に、油断することなくがんばることによって、良い方向に進むんだという手本を教えてくれたが、現実はなかなかむずかしい。

【文:高田 金道】