居酒屋で友人と酒を飲みながらいろいろな話を語り合うのは楽しい。夢を語り合い、酒の勢いで自分の予想以上の夢の話になったりする。
戦国の世、炭奉行になった頃の秀吉。友人が祝いに集まり酒を飲みながら志を語り合った。友人達は意気盛んで、一国一城の主とか十万石の大名等と、男である以上これくらいの大きな夢を持たないとダメだと語り合った。
しかし秀吉は「俺は信長様にやとわれ苦労を重ねてやっと三百石をいただく身になった。あと百石でも二百石でも加算してもらえるように一所懸命がんばるだけだ」と言った。友人達はあまりの小さな秀吉の夢を大笑いした。
秀吉は笑いながら「大きな夢は大事だが、かないそうもない夢に、あせってグチや不平不満を言うようになり、目標の一歩も進まない。それよりも一歩一歩着実に努力を積み重ねることによって、予想以上の結果が生まれることがある」と言った。
もし秀吉が始めから天下取りを夢に持っていたなら、どこかで無理をして、おそらく天下を取ることはできなかったと思う。
いつの世も、大きな夢も大事だが、ひとつひとつ努力して足元をしっかり固めてがんばることによって、良い結果が生まれるような気がするが、なかなかむずかしい。
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