戦国新報
 
 
平成15年 前期
【 H15.5.11
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重みのある一言
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 友人からの「一言」でガラリと仕事の流れが変わる場合もあるし、その「一言」によって自分の気持ちも変わり、人生も変わることもあると思う。戦国の世、秀吉の人生は、「一言」で変わった。信長、本能寺で光秀の謀反によって殺され、信長の天下取りも夢に終わった。信長に拾い上げられ大名にまで育てられた秀吉にとって、信長は命の恩人である。その信長が殺されたという情報を開き、秀吉は気が動転し、目の前が真っ暗になり、何もやる気がなくなってしまった。その時、秀吉の参謀、黒田勘兵衛が「殿、しつかりしてください。天下取りのチャンスがやってまいりました」と「一言」耳元でささやいた。この「一言」で秀吉は、気が元に戻り「中国大返し」という離れ業をなしとげ、光秀を京都山崎の合戦で破り、天下取りへの足がかりを作ったのである。勘兵衛の「一言」が秀吉の人生を変えたのである。今の不況の世の中、「一言」でピンチがチャンスに変わる時がある。その「一言」の重みを大事にすること、そして「一言」をうのみにしないで行動することが大事なような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】