戦国新報
 
 
平成12年 後期
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油断大敵、火がぼうぼう
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 仕事の中で、油断から生じる「ミス」がよくある。最初は緊張感を持って仕事をしているから「ミス」は少ないが、だんだん慣れてくると少しの油断から「ミス」をおかす。車を運転する場合も、免許取り立ての時よりも、三ヶ月ぐらいたって慣れてきた時の方が事故が多いと言われています。
 戦国の世、今川義元二万五千の軍隊で京都を目指して動く。尾張の国境の砦は次々と今川軍に打ち破られた。戦勝に酔う義元は桶狭間で全軍に休憩を取らせ昼食を命じた。義元は信長を「尾張のうつけ者」と馬鹿にし、自分の力量にうぬぼれて祝杯を挙げていた。当然信長の動きはわからないし、まして気にもしない。ところが突然、信長は自らたった二千の兵を率いて義元の本陣に奇襲攻撃をかけ、一瞬のうちに義元を打ち破ったのである。義元大きな「油断」から生じた結果であった。
 「油断大敵、火がぼうぼう」ということわざがあるが、いかなる仕事であっても軽く見て油断してはならない。何事も常に初心の気持ちを忘れることなく、新たなチャレンジ精神でがんばることが大切なような気がするが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】