子供は親の背中を見て育つというが、信長も、親父と今川義元との争いを子供ながら見ていた。そして子供の頃から今川義元は「ライバル」であると思っていた。今川は名家であり、兵力は織田側の約十倍、そしていずれ必ず戦うんだと決めていた。
子供が進学高校入学した時、高校生の頭には大学受験のことしかなく、他の事はどうでもよいという気になるように、少年信長にとっても今川に勝つことしか頭になかった。今川に勝つためにはどうしたらいいか?毎日馬に乗って国中を駆け回り、土地勘を養い、馬を一直線にばく進させれば、どれくらいの時間でどこまで走れるか距離感を体験している。
回りの人間からは「馬鹿」だ「うつけ」だと呼ばれ相手にされない。だが今川の大軍に勝つためには「スピード」と「情報」しかないと気づいたのである。 誰もが予想しなかった「桶狭間の戦い」では見事に義元を倒して天下平定の機運が開けたのである。
今の不況の世も「情報とスピード」は大事なことであるが、なかなかむずかしいことだ。
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