戦国新報
 
 
平成10年 前期
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人脈の広さが不況な時代の武器
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 不況な時代は技術も大事だが、やはり「人脈」の時代のような気がする。 幅広い「人脈」を持つと持たないとでは、ビジネス社会においては大きな差がでてくるような気がする。また「人脈」の広い人はサバイバル競争に打ち勝つことにもなるようである。
 戦国時代も同じである。「人脈」は自分の国の生き残りのために威力を発揮する。秀吉も放浪時代いろいろな人との出会い、つきあいを大事にした。特に野武士の蜂須賀小六と出会ったことが天下取りに多いに役立った。
 また、藤堂高虎という武将は七度主君を変えたことで有名であるが、「人脈」をフルに活用し戦国時代を生き延びている。高虎は秀吉にも仕えたが、秀吉の亡き後、時代は豊臣から徳川に移り変わることを見通し家康の配下に入っている。特に石田三成の挙兵を家康に通報し、その功で三十二万石の大大名になったことで有名である。「人脈」をフルに活かし、情報をいち早く入手したことによって生き残れたのである。
 また「人脈」は、相手に感謝と謙虚さを持って接することで、できていくような気がする。
 今の不況で競争の激しい時代も、どれほど「人脈」を持つかということで生き残れるか決まってくるような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】