戦国新報
 
 
平成10年 後期
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走りながら考える
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 人は皆、仕事をしている時、この仕事は成功するだろうと思っても、必ず成功できるとは限らない。逆にこの仕事は失敗するに決まってるから止めた方がいいと口をそろえても、やり方次第では見事に成功する場合もある。
 秀吉の名参謀、黒田如水は、本能寺で信長が倒された時、すぐに「今こそ光秀を討つべし」と秀吉に言った。如水の素早い決断が秀吉に天下取りのチャンスを与えた。もしこの時、如水がクヨクヨ悩んで結論を出すのが遅れていれば、秀吉の天下はなかっただろう。考えすぎることでチャンスが逃げてしまう時がある。走りながら考えるということは大きな危険が伴うが、第一歩を踏み出せないまま時間だけが過ぎてしまい、失敗するというケースが多い。
 慎重さは行動にとって大事な要素ではあるが、それを上回る大胆さが大切な要素のような気がする。
 今の不況の世もまず成功の可能性を信じて行動を開始することによって、チャンスが生まれるような気がするが、なかなか難しいことである。
【文:高田 金道】