戦国新報
 
 
平成10年 後期
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目標に向かってやり抜く気迫
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 人は仕事をする過程でひとつの目標が決まった時、それを「やりぬく気迫」が大切なような気がする。
 戦国時代、天下を平定しようと群雄達がしのぎを削っていた。その中のひとり、織田信長は乱れた戦国の世を統一して平和な国造りを目指し「やりぬく気迫」を持って駆け抜けた。そうした信長の「気迫」が一番現れたのは、比叡山の焼き打ちだと思われる。家臣達はお寺、霊場を焼くことは織田家のためによくないと反対したが、天下平定のためにというすさまじい信長の「気迫」に圧倒されて、焼き打ちは決行されるのである。だがこうした行動は後々批判が起こる。ついには部下の明知光秀によって、本能寺で倒されることになる。しかし時には行き過ぎがあったとはいえ、信長の「気迫」があってこそ、長年にわたり、人々を苦しめてきた戦乱の世も終わり、天下統一の志は、秀吉、家康と引き継がれた。
 不況の世の中、信長のように、ひとつの「志」を持ってそれを「やり抜く気迫」で行動することが大切なような気がするが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】