戦国新報
 
 
平成9年 後期
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「吟味」することを忘れなかった秀吉
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 好景気の時には、少しばかり不勉強であってもサービスが不充分であっても注文はどんどん入ってきます。また会社の経営内容を「吟味」することも忘れているような気がします。
 ところが不景気になったとたん、お客さんのほうが「吟味」して買い物をするようになります。商品が「吟味」され、経営内容が「吟味」され、そして会社を「吟味」されるようになります。
 秀吉は信長から初めて長浜城主に北近江十二万石を与えられた時、部下達に、不景気になった時のことを予想して国造りに励んでくれと頼んだ。領民の生活状態を知り尽くして物事を考え、部下達に国の隅々まで「吟味」させたのである。「吟味」するという言葉はあまりいい聞こえではないような気がするが、国を思い、領民の生活が豊かになるのであれば「吟味」するという言葉はすばらしい意味を持ってくるのである。
 秀吉は領民のどんな小さなことでも知り尽くして「吟味」して、自分の方針を考えれば、領民のためになり、そして自分のためにもなる。常に相手の心情をくみとり、自分の心を磨き高めることが大事であると言うのである。
 今の不況な世の中、秀吉のようにやってみたいのだが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】