戦国新報
 
 

平成28年 前期
【 H28.3.13】

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楽しいお酒 

すすむ

お酒の呑み方で人柄が変わると思うが・・・。お酒は陽気な気分にさせる一方で冷静な判断を鈍らせることもある。
 戦国の世母里太兵衛友信は、黒田二十四将の中でも特に官兵衛に重用された武将であたった。ある時、官兵衛の名代として、福島正則のもとに使いとしてあいさつに行った。そこで酒盛りが開かれた。酒の好きな太兵衛は、官兵衛に絶対に酒は呑んではだめだと言われていた。
 だが正則に、この酒を全部呑めば天下の名槍を差し上げると言われた太兵衛は、その酒を一気に飲み干し名槍をもらった。この時、太兵衛は陽気になり「酒は呑め呑め呑むならば・・・」と大いに唄った。この時の歌が黒田節の民謡の元となったと言う。

 いつの世も、酒は呑んでも呑まれないこと。マナーをわきまえ、美味しく味わい、一日の労をねぎらうことが大事だと思うが、体を考えればひかえめに。だが、なかなかむずかしい。(平成二十八年三月十三日)

【文:高田 金道】