戦国新報
 
 

平成28年 前期
【 H28.1.10】

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三猿(さんえん)の教え

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 今年は申年。日光東照宮の陽明門に三猿の教えの彫刻がある。他人の欠点や過ち、または自分にとって都合の悪いことは「見ない、聞かない、言わない」ように「見猿・聞か猿・言わ猿」三猿の教えであるが…。

 戦国の世、敵と戦う時は逆発想で、敵の情報を得るために、敵の欠点を「よく見るように、聞くように、言わせるように」調査することが大事なことである。そうすることによって敵に対する作戦の練り方も違ってくると三代将軍家光は部下達に言った。

 今の世も、人の悪いところは「見ないように、聞かないように、自ら人の悪いことを言わないように」することによって、人との争いを起こさずに済むと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十八年一月十日)

【文:高田 金道】