戦国新報
 
 

平成26年 後期
【 H26.7.13】

もどる

下足番

すすむ

 昭和初期の時代、大学に入学してから生活の苦しい人は、書生として「下足番」をしながら政治家や裕福な家に住み込みをして勉強をした。

 「下足番」を命じられたら、一生懸命に知恵を絞り、工夫をし、笑顔で好感をもたれるように対応する。そしてお客様も気分よく帰る。そうやって、「下足番」をしながら無事に卒業を迎えた時に、今まで対応したお客様の印象に残り、政治家や経営者から誘いがきたという。

  戦国の世、信長に命じられ草履取りをやる。要するに、信長の「下足番」になった秀吉。寒い時には、草履を自分の「懐」に入れて温めて、差し上げた。この知恵と工夫が秀吉の出世のきっかけとなった。

  いつの世も、言われた仕事を言われた通りにやるだけでは頭角を現す事はできない。付加価値をつけて自分なりに知恵と工夫を加える事が大切だと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十六年七月十三日)



【文:高田 金道】