戦国新報
 
 

平成26年 前期
【 H26.5.11】

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人生の授業料

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 もし失敗した時、悔やむよりその体験を活かすことの方が大切だと思うが…。

 戦国の世、「酒は飲め飲め飲むならば…」と黒田節で有名な歌のモデルになった、酒豪で有名な武将、母里友信(もりとものぶ)は、官兵衛の子飼いの家臣で忠実な部下であった。若い頃、いつも酒の飲み過ぎで失敗が多かった。そこで官兵衛は、失敗を教訓として二度と同じ失敗を繰り返さないように、どんな小さな事でも「おろそか」にしないように、常に緊張感を持って行動する事だと注意した。そして成功も失敗も体験することで良い経験に変わるものだとも言った。官兵衛の教訓を活かした母里友信は、ついには城持ち大名になった。

 いつの世も、成功に思えることも、失敗に思えることも、人生の授業料だと考え、自分をみがいて、仕事に役立てようと努力することが大事だと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十六年五月十一日)


【文:高田 金道】