戦国新報
 
 

平成26年 前期
【 H26.2.16】

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自信と勝売

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 商売は「あきない」という。もうけると面白くてしかたがないから「あきない」のだ。またうまくいくと面白いから「笑売」となるという人もいる。

 戦国の世、秀吉は信長に採用されるまで針売りをして諸国を歩いた。売れると、ありがとうございますといつも元気に活発に明るく笑顔でお客に売りさばくから「笑売」となった。

 そして各地を歩き回り国の情報を仕入れ、やがて信長に出会い家来となった。最初の仕事は草履取りであったが、草履の扱い方が面白く信長に気に入られ「気の利く奴」と評価され出世していった。出世していく度に自信がついた秀吉は、仕事は「勝売」と考えて努力し、いつもこのような考え方で一所懸命に働き、天下取りへと突っ走った。

 いつの世も、面白く仕事がしたいものだ。努力もしないで不平不満や愚痴を言うようになると、心が乱れ「消売」になってしまう。いつも「勝売」になるようにがんばりたいと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十六年二月十六日)


【文:高田 金道】