戦国新報
 
 

平成24年 後期
【 H24.8.5】

もどる

朝顔の絆

すすむ

 朝顔は朝早く日の出る前に咲く。日が昇った昼ごろには明日のためにまるで手を合わせるようにしぼんでしまう。そしてしっかりと巻き付いているツルのようすは「固い絆」で結ばれているように見える花だと思う。

 戦国の世、国を守るために膨大な資金を投資して大きな城を造らなければだめだと大阪城を造った秀吉。

 しかし信玄は、大きな城を造ったとしても必ず安全という保障はないと考え、それよりも部下一人一人の絆がしっかりと結ばれていなければ国の安泰はないと思い、城を造るための膨大な資金を、国造りのため領民のためと人材育成に投資した。

 人の和、協力、人望こそが人と人との絆を深め、国を強くし、戦闘能力を高めることができるとも信玄は言った。

 いつの世も、信玄の考え方のように部下の適材適所を考え、お互いに信頼関係と朝顔のような「固い絆」を持ってがんばることが大事だと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十四年八月五日)


【文:高田 金道】