戦国新報
 
 

平成24年 後期
【 H24.12.30

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 不利な状況に陥った時、「悩む」か、あるいは有利な状況だと逆に「喜ぶ」か。人にはいろいろいる。名将はチャンスと思うか、凡将はピンチと思うか…。

 戦国の世、「桶狭間の戦い」で、信長は不利な状況でピンチであった。義元は若い信長を尾張のうつけとばかりバカにして甘く見、今がチャンスと見ていた。だが、信長には勝算があった。そのカギは、戦場の地形や、うぬぼれの強い義元の行動状況など、どんな小さな情報の収集に全力を注いだことにあった。

 そして「義元ただいま田楽狭間にて昼食中」との情報が届いた瞬間、義元一人をめがけて奇襲攻撃をかけ倒したのである。義元のうぬぼれや油断から生まれた敗北だったが、それ以上に信長の情報力が勝っていたところに、勝利があったかもしれない。

 いつの世も、どんな状況にあっても、目的をしっかりと決め、積極的に行動する事が大事なような気がするが、なかなかむずかしい。

 今年一年のご愛顧誠にありがとうございました。来る年もよろしくお願いいたします。(平成二十四年十二月三十日)


【文:高田 金道】