戦国新報
 
 

平成23年 前期
【 H23.5.1】

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素早い対応の知恵

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 災害時には素早い対応が人を感動させると思うが…。
  時は戦国、秀吉が天下を取り大阪城も完成し、世の中が落ち着いた時、大きな地震が起きた。淀川の土手が破損して川の水が城下に流れ大変な事態になった。そこで秀吉は黒田官兵衛に何か良い対策はないかと頼んだ。そこで官兵衛は、城内の米蔵にある米俵をいただきますと言って、米俵を破れた場所に運び積み重ねて水の流れを食い止めた。そして後々、丈夫な土の俵を仮に積んである米俵と交換した者にはその米俵を差し上げると告げた。農民達は我先にと争うように土の俵と米俵をどんどん交換した。米は濡れているが乾かせば食べられる。その上、大阪城内の米は質も良く、たちまち米俵は土の俵と交換された。秀吉や他の家臣達は官兵衛の知恵に大いに感動したのである。
  いつの世も物事は素早い対応が必要だが、対応するには知恵も必要だ。知恵をあみだすためには仲間と相談することも大事だ。三人寄れば文殊の知恵ということわざもあるが、なかなかむずかしい。

 

【文:高田 金道】