戦国新報
 
 

平成23年 前期
【 H23.2.5】

もどる

引き際

すすむ

 「逃げるが勝ち」ということわざがある。信長、越前朝倉義景との決戦を決意した時、背後から同盟を結んでいた浅井長政が離反して攻めてきたため、早急に京に逃げ帰りピンチを脱する。その後、再び体制を整えて姉川の合戦で勝利する。もしこの時、逃げが遅ければ信長の再起はなかったと思う。
  また戦国武将で最強と呼ばれた信玄が、一番恐れていた武将が今川義元だった。その義元、信長の領地尾張に侵攻した時、次々と有利な情報が届き、義元は上機嫌で廻りの兵士達を集めて、桶狭間で酒宴を開いた。義元は「肥満症」で馬に乗れないことを聞いていた信長は、今がチャンスとばかり一点集中、奇襲攻撃をかけ義元の首を取った。
  もしこの時、義元の身が軽くて馬に乗ることができたなら逃げることもでき、再起もできたと思う。
  いつの世も、時と場合によっては無理せず、潔く「引き際」も大事なような気がするがなかなかむずかしい。


【文:高田 金道】