戦国新報
 
 
平成20年 前期
【 H20.4.13】
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親切の鎖
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 人に「親切の種」を蒔けば、自分にも親切がかえってくると思う。反対に人を痛みつければ自分にも跳ね返ってきて、争いが生まれると思う。
戦国の世、謙信は、「人から奪う事ばかり考えている武将は、必ず自分も滅びる」と言った。また、ライバルである信玄は、息子勝頼に「自分の亡き後は絶対に甲斐の国から出て争いをしてはならぬ」と遺言を残した。だが、勝頼は信玄亡き後、その遺言を守らず国を出て、信長に長篠の戦で敗れる。そして勝頼は信長に追いつめられ自刃して武田家は滅びる。
もし勝頼が父信玄の遺言を守っていたならば、武田家は滅びることもなかっただろう。
いつの世も人から奪おうとすると、いつか自分も奪われる。常に人に親切にすることを心がければ、人もまた親切にしてくれると思う。その親切の鎖がうまくつながり、良い人間関係が生まれてくると思うのだが、なかなかむずかしい。

 

【文:高田 金道】