戦国新報
 
 
平成18年 前期
【 H18.3.12】
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人を立てられるか
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 人の悪口を言わず、三歩下って「人を立てられるか」…。目上の人は立てても、目下の人を立てられるか…。
 戦国の世、人を立てるのがうまかった秀吉。織田家の家老である柴田勝家と丹羽長秀の名前を一字ずつもらって、羽柴秀吉と名乗り二人を立てた話は有名である。また秀吉は下の者に対してもその気持ちは忘れなかった。身分の低い足軽達にも激励の声をかけたり、「おふくろさんは元気か」と声をかけたりした。当時は殿様から声をかけられるということは大変な事であり、足軽達は涙を流して「殿様のためなら命を捨てても」と思うようになった。その結果、下の者たちからの人望があったために天下を取ることができたと思う。
 いつの世も、人を大切にするという誠意があり、人を立てることのできる人は必ず周りから信頼されると思う。態度が横柄で人を立てることのできない人は、友人達が離れていくような気がする。  相手を立てれば人間関係も良くなり、何かと協力してもらえるし、自分にも運が回ってくるような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】