戦国新報
 
 
平成16年 前期
【 H16.5.30】
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ちいさな力も…
すすむ

 山に降った一粒の雨は、大した事はなく見えるが、その一粒の雨も沢水となり、さらに合流して川となって流れることによって大きな力となり岩石も打ち砕くようになる。人も一人の力よりも仲間が多く集まり、お互い協力しあい、努力して助け合うことによって、より大きな力となるような気がする。
 戦国の世、中国地方の大名、毛利元就は、三人の子供たちの行く末を心配して子供たちを呼んだ。一人一人に一本ずつ弓矢を持たせて、「その矢を折ってみろ」と言った。矢はちょっとの力ですぐに折れた。今度は三本を束にして折ってみろと言った。ところがいくら力を入れても矢はなかなか折れなかった。元就は静かに言った「一本なら弱い矢も三本束にすると強くなる。お前たち兄弟三人は、どんなことがあってもこの矢のように三人協力して、努力して助け合う事によって何倍もの力となり毛利家を守る事ができる」と言った。世に言う「三矢の教訓」である。
 いつの世も、会社内で、自分だけが良ければいいという心は捨てて、お互い一致団結し、協力して、努力して助け合うことによって、良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしいことだよ…。

【文:高田 金道】