戦国新報
 
 
平成16年 前期
【 H16.2.8】
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バカを演じられるか
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 人間の魅力はどこから生まれるか…。人の性格によっていろいろあると思う。また、同じ功績を上げても回りから評価される人もいれば、評価されない人もいる。失敗してどなられる人もいれば、逆に励まされる人もいる。
 戦国の世、何を言われても根に持たない性格で明るかったのは秀吉である。秀吉は「バカ」なマネして他の武将達よりも役に立つ働きをした。「バカ」になれる天才でもあった。そして気前もよかったし、知恵者でもあった。信長からは「おいサル」と呼ばれ大いに信頼された。
 人間バカになって始めて見えてくる物事があるし、的確な判断ができるようになると秀吉は言う。ここが秀吉の魅力だったような気がする。
 魅力のある人の回りには人が多く集まる。人が集まるということは情報も多く集まるということである。
 いつの世も、理屈が多い人間よりも「バカ」になれる人間の方が魅力がある。「バカ」を演じることができたからこそ秀吉は、人の上に立てたような気がするが、秀吉だからできたのであって、秀吉のマネは、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】