戦国新報
 
 
平成10年 前期
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ヤル気を集めて組織を作った秀吉
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 不況な世の中で最も大事なのは「人」である。「人」をいかに活用するかで不況時を乗り切れるかどうか決まるような気がする。しかし待遇の上でなかなか思うようにいかないし、社員に元気を出させるにしても、結局本人次第であるから、なかなか経営者としてもむずかしい面もあるような気がする。
 人は「なぜ働くのか」と聞かれた時、その答えは「自分自身の幸福」に結びついている。
 だが、会社が良くならないと自分も良くならない。仕事の目的をしっかりつかみ、そして自分のやった仕事が会社に対してどれだけの貢献度があったのかということを常に意識しておかないとだめなような気がする。
 秀吉は若い頃から苦労してきたので、人の気持ちをよく知っていた。常に自分は織田企業にとってどのくらい役立っているのかをよく考えていた。秀吉曰く「組織というものは、ただ人間を集めればいいというものではない。人間のヤル気を集めてこそ組織はできあがる」というのである。
 今の不況な時代も同じことが言える。個人のヤル気が集まった組織は不況も乗り切れるということなのだが、なかなかむずかしいところがある。
【文:高田 金道】